Life in Los Angeles.

ロサンゼルスに住む永住権者の冒険と、アメリカの日常を書きたい気分で徒然なるままにお届けします。

グリーンカード/アメリカ永住権の習得方法について(2)

さて、前回は グリーンカード/アメリカ永住権の習得方法について(1) にて、米国永住権VISA、すなわちグリーンカード取得の世界的な状況と募集条件、取得方法の全て、そして取得するメリットについて詳細にご説明をいたしました。 

 

第2回目となる今回は、前回お話しした通り米国永住権取得の流れと、実際の応募の方法をわかりやすく具体的に記していきたいと思います。

 

これからご紹介する内容は移民弁護士にお願いするだけで、数千ドルの費用がかかります。

 

個人的にはこの弁護士費用はちょっと高いと思いますが、確かに知識がない人が初めてやるには難しい手続きですし、確実に申請がされるので需要と供給が合っているのでしょう。

 

よくある申請代行業者の中には安価な手数料で募集しているところもありますが、審査不通過の可能性が大きいことを逆手にとって実際に申請されているのか怪しいところが多いと聞きます。

 

上記の理由から、現在米国へ移住を考えている読者の皆様においては、シリーズを通して十分な理解をいただければ、弁護士や自己責任で代行業者にお願いする他にもご自身で申請するという選択肢が増えてメリットを得る近道をご提供できるのではないかと思います。

  

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今回はブログを読んでいただいた感謝を込めて、最後に「当選確率が上がる裏技」もオマケでお伝えします。

 

では、早速参りましょう。

 

 

まずは時系列に沿って、応募の流れを詳細にご説明します。

 

 

■応募受付期間

 

抽選式米国永住権(DV-201X:以下略) の応募受付はおおよそ発給年度から遡って2年前の秋頃*110月1日~11月3日までの1ケ月間に実施されます。

 

実施年によっては日程が変わることもあり得ますので、必ずご自身でこれからご紹介する米国国務省のWEBサイトをお確かめになることが必要です。

 

応募が集中するとサイトが混雑してサーバー遅延が生じる恐れがあり、期限後、または書面(応募用紙)での応募は理由のいかんを問わず一切受理されませんので、早めに応募することをお勧めします。

 

  

①エントリーフォーム記入

 

応募は受付期間のみ有効になる「Electronic Diversity Visa Entry Form、DS-5501」へ入アクセスし、米国政府が定めたフォームに従ってインターネットから申し込みされていることが前提です。

 

米国永住権の応募に費用はかかりませんので、冒頭にも記載した通り、安価なビザ申請コンサルタントやビザ申請代理人などの仲介業者を利用せずにできるだけ応募者ご自身か、または移民専門弁護士とパートナーシップのもと申請することを併せてお勧めします。

 

もし弁護士以外の人があなたの応募を代理する場合は、質問に正しい答えが入力されているかエントリーフォーム作成時に必ず立会い、確認ページと固有の確認番号をご自身で保管するようにしてください。

 

この確認番号がないと、あなたの応募状況が掲載されるオンラインシステムにアクセスすることができなくなりますし、もし他の人からこの情報をあなたのために保管しておくと言われたら、個人情保護の観点、または申請内容の破損のリスクから注意が必要です。

 

E-DV エントリーに掲載されている E メールアドレスへは常にアクセスできるようにしてください。

 

■写真の仕様

 

6ヶ月以内に撮影された240kb以下、600×600ピクセルのJPEGファイルを添付する必要があります。本人・配偶者・子供それぞれの写真が必要ですが、白黒は不可でカラーのみとなります。

 

下記、国務省指定の注意事項をご確認ください。

 

・うつむいたり、首を傾けたりせず、カメラに向って真正面に向き、焦点があっていること。

 

・頭の高さや顔の大きさ(頭髪も含め頭上から顎の下まで測定)が、写真全体の 50%~69%を占めていること。

 

・目の高さ(写真の一番下から目の位置まで測定)は、写真の 56%~69%の間に位置すること。

 

・淡い色の背景の中央に写っていること。

 

・背景が暗いもの、模様や風景が入っているものは不可。

 

・サングラスや装飾品等で顔が鮮明に写っていない写真は不可。

 

・宗教的、信仰上の理由による頭部の覆いや帽子は受付ますが、応募者の顔が鮮明に写っていなければなりません。

 

宗教的理由以外のかぶりものを身につけた写真は受理されませんので、当然軍や航空会社等の制服として、帽子をかぶって撮影された写真も受理されません。

 

指定が細かいので、プロの写真屋さんにお願いすることを強くお勧めします。

 

 

②応募の受付証明

 

エントリーが完了すると、公式の受付証・ElectronicConfirmationNotice(ECN)という書類が発行されます。

 

登録したメールに通知されますので、絶対に無くさないように大切に保管してください。

  

■失格対象

 

米国永住権への応募は、期間中に1人につき 1 件の応募に限るという原則があり、国務省は高度な技術を駆使して重複応募を探知しています。

 

フォームの未記入、虚偽の記載、指定外の写真添付や、1 人につき 2 件以上の応募があった場合は応募は無効となりますので、くれぐれもご注意ください。

 

 

③当選手続開始

 

エントリーフォーム・添付写真を正しく送付し、審査の結果、グリーンカード抽選プログラムの当選者となると、1で書いたように実際のビザ発給数(5万件)に対し辞退や資格不足などを見越した倍近い数(約10万件)の当選者が仮選出されます。

 

しかしこの時点で該当する年の抽選永住権発給数に達すると手続きが自動的に打ち切られますので、当選したらまず自分のケースナンバーを確認した後すぐに対応が必要です。

 

ケースナンバーはその後の手続き順を決める重要な数字ですので、忘れないように大事に保管してください。

 

■家族について

 

当選した場合、21歳以下の未婚の子供も家族として付随的に永住権が取得できます。

 

 

 

 

 

④米国国務省指定病院での身体検査

 

無事に手続きが進むと米国在住の場合はUSCISの指定医療機関で、日本在住の場合は下記の指定医療機関で健康診断を受ける必要があります*2

 

・聖母病院
電話: (03)-3951-1111
住所: 〒161-0032  東京都新宿区中落合二丁目5-1
担当医師: Drs. Daisuke Miyamoto、Eri Kurakawa
 
・東京メディカル・エンド・サージカル・クリニック
電話: (03)-3432-5181
住所: 〒105-0011 東京都港区芝公園3-4-30 芝公園32ビル
担当医師:Drs. J.H.T. Marshall、Peter Seez、Nicola Oduro-Yeboah、Thomas Lomax
 
・神戸海星病院
電話: (078)-871-5201
住所: 〒657-0068 兵庫県神戸市灘区篠原北町3-11-15
担当医師:Drs. Kouta Yamamoto、Masatoki Adachi
 
・沖縄アドベンチスト・メディカル・センター
電話: (098)-946-2833
住所: 〒903-0116 沖縄県中頭郡西原町字幸地868
担当医師: Drs. Norris Matsumoto、Darrell L. Vaughan、Atsushi Higa、Yasutsugu Yanami、Yukari Uehara-Dulan、Yuichi Yanami

※VISA申請の方法、病院指定含む、住所や電話番号は変更される可能性があります。

自己責任で必ずご本人が確認してください。

 

申請者が直接医療機関で予約する必要があり、この次のステップである米国大使館での移民ビザ面接の前に健康診断を全て済ませておかなければなりません。*3

 

永住権申請に伴い行われる健康診断の有効期限は最長6ヶ月間で、米国に入国する際に有効でなければなりません。 

 

ビザの有効期限は健康診断の有効期限までに制限されており、 健康診断を受けた日から6ヶ月以内に米国に入国できない場合、再度健康診断を受ける必要があります。

 

 

⑤警視庁へ赴き、無犯罪記録証明書類を取得*4

  

 

⑥米国大使館にて、領事と面接

 

全ての書類が揃い、健康診断も終え手続きが正しく進むと、米国大使館、または沖縄総領事館での面接の日程が設定されますので、指定日時に領事との面接に向かいます。*5

 

面接は英語に不安があれば日本語で受けても問題ありませんし、質問内容も準備物に問題がない限り、特に難しくありません。*6

 

例えば、

 

・なぜ米国に移住したいのですか?

・米国ではどのように生活するのですか?

・日本の資産はどうしますか?

 

などなど、領事によって質問の内容は変われど、上記の難易度を大きく逸脱することはないと思います。

 

面接終了後に自分のパスポートを大使館に預けると、約1週間後に入国まで半年を期限とした仮の移民VISAシールが貼られたパスポートと書類が返送されます。👇

 

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ここまでくれば、あと一息です。

  

⑦永住権確定のため、渡米

 

面接後に送られてきた仮のVISAを持って、永住権を確定させるため半年以内にアメリカに入国しなくてはいけません

 

入国時には旅行で通る外国人用の入国審査場ではなく、米国市民用の審査場を通って移民手続きを行います。*7

 

ここでは最後の関門とばかりに、入国審査官に色々と厳しめの質問をされて緊張の瞬間ですが、書類、質問の返答などに問題がなければ、パスポートに仮の永住ビザのスタンプが押されて入国が許可されます。

 

おめでとうございます!

これであなたはアメリカの正式な移民として認められました。

 

⑧グリーンカードの送付

入国からおよそ1ヶ月後に手続き中に指定したアメリカ国内の住所へ、米国移民局から正式なグリーンカードが届きます。

 

 

就労、アルバイト、就学、奨学金、、、そして居住。

自由の国アメリカで永住する資格を手に入れ、あなたの人生が新たに始まります。

 

この日から、あなたは公民権以外の全ての自由をアメリカ人と同じく享受することになります。

 

思う存分、自由で大らかなアメリカの生活をお楽しみください。

 

 

■TIPS......

 

より豊かな暮らしやダイナミックで自由な仕事場を求めて、はたまたはレベルの高い学業の充実のために、そして戦争や災害などで住みかを追われたりしてアメリカでの永住を目指す、世界中の人々から応募が殺到する米国永住権/グリーンカード。

 

当然その当選確率も相当に狭き門だということは、想像に難しくありません。

 

そんな入り口に立って永住権獲得を目指す第一歩。

ここまで読んでいただいた方へ、感謝を込めてちょっとした裏技をお伝えします。

 

記事でも紹介した通り、永住権を一人で複数応募することは原則として認められませんが、複数人での応募を禁ずるともされていません

 

すなわち実際に取得するかどうかは置いておいて、ご家族(夫婦・両親・兄弟)それぞれの名義で家族として1口づつ応募をすればその分だけ確率が上がることになります。

 

もし申請者が成人した4人家族なら、他の3人を家族とすることで1人で4口応募が出来るということです。

 

▪️ 最後に。

 

もしもお一人で記載していて、必須項目へ記載する情報の収集が難しかったり、そもそも英語なので記載内容が理解できないという場合は、費用がかかりますが米国内の移民専門弁護士と連携しますので、こちらからお気軽にお問い合わせください

 

ここまでできる限り具体的な項目を挙げて説明してまいりましたが、グリーンカードの申請書類/手続きは膨大で複雑です。設問項目も当然英語ですし、私も米国人弁護士の友人に手伝ってもらわなければ一人では難しかったと思います。

 

そこで触りとはいえ私の経験をわかりやすくお伝えすることで、少しでも友人を含め真剣にアメリカへの永住を検討している方々のお役に立てるならと思い、シリーズに分けて詳細を取りまとめました。

 

こちらの記事を読んでくださった一人でも多くの方が、夢を現実に引き寄せることができるようになればいいなと、心から願っています。

 

ありがとうございました。

 

*1:すなわち今ですね。

*2:2017年から検査項目が追加されました。

*3:レントゲンを撮ったり、ワクチン打ったり、血液検査で抗体を調べたりと色々な検査をしますが、永住権が無事に出たということはHIVも陰性ということでおけです。

*4:わんぱくだったあなた、安心してください。記録は成人してからのです。僕は相当焦りました

*5:ものすごく並ぶので、少なくとも開始時間の3時間前には着くようにすることをお勧めします。時間が過ぎて機会を逃すより、もてあます方が良いです。

*6:担当領事が日本語を喋れればですけどね。。。

*7:永住権者になってから米国に入国する際は、米国市民用の入国審査ラインから入ることになります。トランプ政権以降、外国人の入国審査が厳しくなっており、旅行者に混じって長蛇の列に並ばなくていいのはとても楽です。