Life in Los Angeles.

ロサンゼルスに住む永住権者の冒険と、アメリカの日常を書きたい気分で徒然なるままにお届けします。

ブラック企業の経営者の真理とは。

 

 

昔の奴隷 : 日が暮れたら仕事は終わり。 

今の奴隷 : 日が暮れても仕事する。

 


昔の奴隷 : 主人が(強制)結婚させて、家を与えて飯を食わせ、少なくとも最低限生活の心配は無い。
今の奴隷 : 本人は結婚も出来ず、家(VISA)も買えず、毎日のように生活の心配が絶えない。

 


昔の奴隷 : 自身の事を奴隷だと自覚している。

今の奴隷 : 自身の事を奴隷だと自覚してない。

 

 

f:id:ryurok:20190217041005j:plain

果てしなーいー闇のむウこうにいー Oh~Oh~ 手を(略

 

 


上下の比喩共に時代の流れで程度はさておき、人権の侵害という意味では現代でも奴隷と変わりない人達がたくさんいるのだと思いますが、太古の昔から脈々と続くブラック企業って無くなる事がないんでしょうか。

 

 現在米国に進出する企業のお手伝いや、既存の企業の課題を解決する仕事もしているので、今日は真面目に、仕事を通じて日々感じていることを綴ってみたいと思います。

 
エリアは主にCaliforiniaのTorrance周辺、クライアントの経営課題を解決するミッションを受け問題を洗い出す為に社員へインタビューを実施すると、ほぼ100%の確率で労使間の信頼感が瓦解していて潜在、心理的な対立構造が表層化してくる。

 


中でも1番多いのはVISAのスポンサーシップを人質に経営者(ケースはほぼ創業社長)と意見の相違や不合理があっても、これを埋めることなく、主張することもなく、短くて5年、長くて8年もの間、VISAが取れて自由になるまでじっと腹の底に鬱積し続けた会社への反感や恨みつらみがどろどろと渦巻いていて、これらが社内のコミュニケーション不足や、コミュニティの非活性などの違う問題に派生して経営者の願いとは裏腹な成長鈍化の根源と成っている事。

 


結論から言っちゃうと経営者は経営者で社員にどんなに嫌われていようが、少なくとも数年間はVISAをエサに薄給で自分の思い通りに動かし続ける事が出来、つぷれるか、めでたくVISAが取れた社員が辞める間近になったらまた新たに日本からJ1あたりで新たな人材を呼んでくれば良いと考えてる節があるので、こういうケースだとスタートの時点で問題改善の余地があまり無い。

 


現場の状況を分析して改善策を進呈しても、長きにわたって築き上げた(自分にとって)効率的な状況を自らドラスティックに変化させるわけもなく、いや、うちは社員と上手くいっているはずだから、もしくは苦情など一度も聞いたこと無いから自分のマネジメントは完璧だ、思い通りに数字が伸びないのは違う所に問題があるに違いない。と聞く耳を持たないことが多く、今そこにある問題から目をそらして俯瞰的視感を拒否する状況が多く見受けられる。

 


いきなり結果からレポートして解決しようとすると話が進まなくなるので、市況やコンペティター分析、もしくは社内スキームの効率化などを通じ別の視点から問題にアプローチしていくことになるのだけど、それらはあくまでも副次的な問題であって、論を詰めていくと結局本質的には社内(経営者)が抱える上記の課題に行き着く事になるので本人の意思が無いと問題が解決、もしくは改善する兆しが見えない。

 


当然のこと、根治されないので社内の雰囲気は険悪で連携が薄いまま、パフォーマンスが伸びるはずもなく、改善のため手法の1つとして必ずと言っていいほど挙げられるハイパフォーマーの採用があの手この手で一時的に叶ったとしても、実力がある永住/市民権者やVISAホルダーは定着せずに数ヶ月で会社を去っていく事になる。

 


なぜならこれまで優秀層が培って来た成功体験や、スキル、ノウハウを上手く取り込む事が出来ず、経営者の能力以上の伸び代が見えない事を、彼らが早期のうちに気づいてしまうからである。(だから優秀なんだね

 


これではいくら依頼を受けて課題を解決しようとクライアント(経営者)に寄り添っても、結局は自社の社員に対する意識と同じように客観的かつ合理的に提示した外部の意見を取り入れる事が出来ない為に、短期的に繰り返し支出される無駄な採用、教育コストなど、まるで投資になってない固定費の改善が見込めず、当然の事ながら辞めた社員が新しい仕事先でその経営者を褒めるはずもなく、結果会社の風評も悪くなって潜在顧客が離れ、社内にはさほど優秀ではないけど仕方なくいるしかない、というメンバーが残り続け社内の雰囲気も貢献度も改善されないので、さらに成長が鈍化する、という負の連鎖が断ち切れない事になっていくのだが、問題がわかっていて解決が出来ないというのは改善する事がミッションである本人(僕)としても非常に気持ち悪いし、仕事なので感情を表に出さない様に努力はしてみるものの、やはり話が堂々巡りになってくると社員と一緒になって腹立たしくなってくる(笑

 


だからこれじゃいかんと、さらにさらに違う角度から問題を深度深く分析してみる事になるんだけど、色々考えて自分の中で出た結論としては、ブラック企業の経営者は外部要因より社内に問題があることを百も承知で、しかも大部分の問題は自分起因である事にも薄々気が付いている。

 

だから外部の人材を呼んでまで創業したって言う事実は確かだけど、経営者とは呼べない、もしくは自信の無い自分を正当化してほしいんだ、って事に気がついた。

 

f:id:ryurok:20190217044631j:plain

コンサルティングの妙味はここですね、皆さん(違

 

 だから徹底的にあなたはすごいですね、あなたは何にも間違っていませんよ、悪いのはあなたがまともな指示とか、具体的な戦略とか、目標とかも全然出さないのに、あなたの頭の中のことをエスパーのように全く理解出来ていない社員の方なんですよ。って言い続けていかないと独立系コンサルは商売が上がったり。一足お先にこの事について達観していた製薬業界で活躍する僕の尊敬する友人の一人も同じことを言っていた。McKinsey でもクライアントにすげえゴマするし、経営者の意向でアンケート結果も提案も変えたりするのはザラだからwの一言が今すごい刺さっている。。 

  

f:id:ryurok:20190217052038j:plain

ゴマって、たくさん擦ると美味しいよね。

 


これまでご自身達なりにやってきたやり方を変えて未知の状況を作り出した時に、イズムとかマイワールドを瓦解させたく無いし、思考停止の元になっていてルーティンにしたものを新たなスキームにして変えていきたくない、そして一番大きな要因は成果が出だした時に、ある種の抑圧が解けて社員の反乱が怖くて踏み切れない、もしくは踏み切らないのだと言うのが今のところの仮説なので、実は彼らは真剣に課題を解決する事を望んではいないのでは無いだろうかと思うようになった。

 

あれ?これもしや核弾頭放棄しない某国の独裁者と同じ思考なんじゃないかと今気づいてしまった。。。

 

 

usalife.hatenablog.com

 

 

 

だから経営者寄りで物事見なくちゃ、といつも思うんだけど最終的には社員側に気持ちが寄ってしまうので、よろしくないなと葛藤する事が多くなるし、こう言う経営者に限って経営者は孤独だってよく言うんだけど、僕はこの言葉が個人的に嫌いで、なんでかって言うと成功する時には自分の手柄で、失敗すると社員のせいにする、もしくは自分の中にある問題意識から目をそらして、解決されない状況を他責にして正当化しているように聞こえるからである。

 


もちろん、ちゃんとしててどんな決断でも自分が最後に責任を取るからだっていう本来の意味で使ってる方は別ですよ。

 


だから社内に問題を抱えてるって自覚があって外部の視点によるコンサルティングを望む大多数の経営者は、社員の生活を維持して、組織を作りあげたという、もうそれだけで十分な実績があるのだから、まず俺がお前らを食わしてやってるんだ、という視点を改めて、社員によって俺も食わしてもらってるんだからありがとう、一緒に大きくなって幸せになろう、って心掛けをする事でほとんどの問題は解決すると思いますよ。

 


って自分のクビを絞める様な事を徒然なるままに書き留めていたらお腹が減ったので、今日の晩御飯の献立をカレーにしたので、食材買いに出かけようと思ったので、土曜日の朝なので、ちょっと眠い今日この頃なので、今日はそろそろこれくらいで勘弁してやろうと思ったので、まずはプロテインを飲みます。

 

永住権を取得して早いものでアメリカ生活も、もう4年。

 
元来の面倒さがりからブロガーになってネタをマメに書き留めたり、映像にして湯ーチューBARになれなかったりするんですけど、なんか色んな意味で成長したり、真理が見える事が増えたなぁと思う事がたまにあり、思いついて気が向いた時にはまたこうやって日記のように書いてみたいと思います。

  


と言う事で、今後もよろしくサンキューベリー感謝です。

 


またね!