鳥群
群れをなし捕食者から逃げまどう 鳥の群れは
全体の利益のために群れているのではない
一番近くにいる鳥の動きを読みながら
お互いに遠すぎず 近すぎず 付かず離れず
それぞれの生存のために 最小限の情報に反応しているのだ
先頭で新しい動きを主導している鳥でさえも
捕食者に一番近いのだという理由で
自身の生存のための鼓動を作り出すのみ
大義を抱いているのだと錯覚してはならない
失敗はどこにでも転がっていて
いつでもその牙をむく
流れを主導しているのだと錯覚してはならない
確率は自信を支える数字にすぎない
スタートが切りやすかったのは、誰よりも危険な場所にいるからという理由のみなのだ