Life in Los Angeles.

ロサンゼルスに住む永住権者の冒険と、アメリカの日常を書きたい気分で徒然なるままにお届けします。

北朝鮮の核クライシスについての考察

19日ニューヨークの国連本部で行ったトランプ就任後初の一般討論演説で、米国は核を放棄しなければ北朝鮮を「完全に破壊」せざるを得なくなる可能性がある ...と発言後すぐの21日、北朝鮮では初めて、金正恩自身の発言*1とした上で重大な報復措置を宣言した。

 

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従来と異なり今回それなりに危機感を感じられるのは、これまで玉虫色に取れるようワンクッション置いて当局の発表として来たものを、国家元首本人の声明に格上げする事によって金がトランプの喧嘩を買うと正式に世界へ宣言した形になったからである。

 

南北間でも在来戦力にこれだけ差*2があるのに、ここに米軍が加わる事で勝ち目がないのを充分すぎるほど理解している北朝鮮が戦略核の保有を放棄するはずもなく、もし戦闘を回避する策が1つだけあるとすれば北の核保有国認定しかない。

 


[한국어 자막 Korean sub] 북한 vs 남한(한국) 군사력(전력)비교 North korea vs South korea

 

しかし、

 

⑴認定と同時にチキンゲームの敗北を認めることになるアメリカがその選択肢を取るはずもなく

 

⑵今日署名されたセカンダリーボイコットの実施を持って中国をテコにしたところで、すでに習近平の北への影響力は低下しており

 

⑶最後の手段で原油の供給を停止すれば、太平洋戦争を開戦した当時の日本と状況が同じとなり生存権をかけた北の暴発が必須

 

世の中にはなぜか正確な状況も理解しないままイメージで北朝鮮を舐めてる人間が多いのだが、主義の相違を認めないため鎖国で経済的に苦しいだけで、大陸間弾道ミサイルをあれだけ正確に長距離飛ばせる技術力をこの世界のどれだけの国が持っているのか、

 

また戦後の日本と韓国が焼け野原からわずか数十年で世界トップの技術・経済大国に上り詰めた勤勉性と地頭の良さを、同じ北東アジアの北朝鮮がなぜ持っていないと思うのか不思議でならない。

 

この状況で想像力が欠如してる人間の知ったかぶりほど無責任で、開戦のリスクを早める弊害はないと思う。

 

米国が最後の砦と宣言しているティラーソンと、ヘイリーが匙を投げたら 

 

結論、

 

平和戦略的に次のステップはもうない。

 

もし後日、過去を振り返りそういうものがあったとすれば、今日がカウントダウンのスイッチが入った日として記憶されているかも知れない。

 

代案は核と引き換えに金正恩の延命措置をどれだけ真剣に信じさせるか等あるが、金と思考のレベルがそう変わらないトランプにそれを期待することは難しく

 

双方に向けて全力疾走する重量機関車のブレーキは、後数本のネジが飛べば完全に壊れる状況にまできてしまった。

 

その後は米中露北の核ドミノでハルマゲドンが実際に起こる可能性があり、運よく生き残ったとしてもリアルなマッドマックスの世界が待っている。

 

次の考察は、 アメリカの北朝鮮に対する軍事オプションの分析。

北朝鮮とアメリカの軍事オプションについての考察 - Life in Los Angeles.

北朝鮮、最後の日。 - Life in Los Angeles.

 

ほんとにこれ以上道がないのか、最後に米朝間の直接対話を提案したい

 

 

 

 

*1:

金正恩声明の直訳全文: トランプが世界の面前で私と国家の存在自体を否定し、冒涜し、我が共和国を消してしまうと歴代で最も粗暴な宣戦布告をしてきた以上、我々もそれに相応する史上最高の超強硬対応措置の断行を慎重に考慮する。

 私は朝鮮民主主義人民共和国を代表する者として我が国家と人民の尊厳と名誉、そして私自身の全てを賭けて、我が共和国の絶滅を騒いだ米国の統帥権者の暴言に対して必ずその代価を支払わせる。

 私は、トランプが我々のどの程度の反発までを予想してそのような過激な言葉を発したのか苦心している。しかし、トランプが何を考えていたとしても、それ以上の結果を目にすることになるだろう。

 私はそれでも世界最大の公式外交舞台であることから米国の大統領たる者がこれまでのように自分の事務室で短絡的になんでもかんでも言い放つのと異なり、少しは区別された枠の中で準備して発言するものであると予想していた。

しかし、米国の執権者は情勢緩和にプラスになるような説得力の発言はおろか、我が国家の完全破壊というどの歴代大統領からも聞くことのなかった前代未聞の無知粗暴な狂人のラッパを吹きまくった。

 大統領になってから世界のすべての国々を威嚇・恐喝し、世界をいつになく騒々しくさせているトランプは一国の武力を持つ最高統帥執権者としては不適格で、彼は明らかに政治家ではなく、火遊び好きな放火魔か、チンビラに間違いない。

 包み隠さぬ表現で米国の選択肢について説明してくれた米執権者の発言は、私を驚かすことも、止めることもできないどころか、私が選んだ道が正しく、これが最後まで行くべき道であることを確認させてくれた。

 言葉の意味もわからず好き勝手なことを言っている老いぼれには行動で見せるのが最善である。米国の老いぼれた狂人を必ず、火でしずめるだろう。

*2:2015年作成動画の基準で、韓国の軍事力は世界7位、北朝鮮は36位だった。